芸術とは自分自身を深く探索することかもしれない ~ エクスマ学院五講より

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芸術と聞くと、特別な人が才能を披露する特別な世界のことと思っていた。

幼い頃は絵を描くことも、歌ったり踊ったりすることも、楽器を弾くこともすべてが、おままごとや鬼ごっこと同じ遊びだった。すべて楽しいものだった。
ところが、学校に上がると先生の評価が入り、友だちと比べられることでだんだんと勉強になっていった。すべてがテストに合格しなければならない。そして、高校に進学すると、芸術は芸術系に進学する子が勉強するものになった。普通科に入った私は、芸術系の科目は1科目選択するだけになりほっとしていた。

私は音楽を選択した。音楽は好きだと言っても許される気がしていたのだ。なぜなら、子どもの頃からピアノを弾いていて、ブラスバンドでクラリネットを吹いていた。だから、音符も読めるし、理論もそれなりにわかるし、演奏もできる。が、その音楽さえも「才能」という言葉に悩んでいて、自分らしく楽器を弾いていたかというと怪しい。

そんな私がエクスマを学び始めて、「小さな頃に好きだったことは何だった?」と掘り下げていけばいくほど、自分の身体を使って表現することに行きつく。演じたり、踊ったり、歌ったり、楽器を弾いたり、文章を書いたり、さらには絵を描くことも好きだったのである。

その思いを全部、「先生に評価されない」「才能がない」というレッテルがついている箱に押し込み、さらに「受験」というレッテルの大きな箱に入れて押し入れの奥深くしまい込んでしまったのだ。

しかし、何か違っていたのである。

確かに「才能」や「センス」は必要だ。学校ではテクニックがあり、実技試験のいい子が才能ある子だった。

が、それはそうじゃないらしい。

音楽や絵画や演劇など芸術は、パフォーマンスや作品を通して自分の思想、感情の流れ、人柄などを表現して伝えることなのだ。

こんにちは。札幌でWebプロデューサーをしている白藤沙織です。

前置きが長くなりました。
エクスマ学院の第五講のテーマは「芸術」でした。
藤村先生からは「芸術ってなに?」というテーマの話聞き、ゲスト講師である釧路短期大学で教えている篠木麻希さんから「美術鑑賞」の話がありました。

学校の授業がこんな風にひとりひとりの感性を大事にしてくれたら、きっと芸術は身近なものになったんじゃないかなと思いながら聞いていました。

今回もZoom参加。
近くで熱量を共有できる人がいないのがちょっと寂しいな。

アーティストの思考はおもしろい

藤村先生の話は、20世紀のアートだった。
マティス、ピカソ、アンディ・ウォーホル、デュシャンなど、現代の美術がどのように生まれたのかという話から聞いた。

学校教育の美術は、「リアルに描く」ということを重要視しているけれど、それは19世紀までの美術の流れ。その手法はカメラの登場で必要なくなる。それは画家の仕事がなくなることだ。テクノロジーの進化は社会そのものを変えてしまう。

そうした背景を受けて、20世紀にはいると「アートにしかできない表現は何か」ということが追求されていく。そうして新しい表現をするアーティストが次々と現れた。

太陽は赤、海は青、自然は緑と典型的な表現をしなくてもよく、それまでの常識を破り、自分が感じたものを表現するのがアートになった。

そして、アーティストは「ものごとの新たな価値を作り出している人」で「経営者もアーティストだよ」と藤村先生はおっしゃる。

最近の私はこの話に納得している。仕事の中に自分たちだけの価値を生み出さなければ、事業は続かないから。

ただ、そう言われると振り出しに戻って「才能がない」地獄に吸い込まれそうになる。
でも、今回の「スキルとセンス」の話を聞いて少し希望が湧いた。私、何かを誤解しているんじゃないかな。

スキルとセンスの違い

スキルは必要なこと。主に人に教えられることはスキルなんだと思う。そして、スキルは比較できるし競争になる。

けれども、その人だけが持っているセンスは磨けるもので、それがその人の唯一無二の価値になっていく。

このお話から、私は「スキルは最低限必要だけれど、飛び抜けたスキルがなくても、センスを磨いていけば自分の世界観が生まれるし、もしかしたらそれに共感してくれる人もいるかもな」と思えたのだ。

スキルとセンスのお話し中の藤村先生

センスを磨くためにはどうしたらいいかというと、次の3つがある。

  1. 自分じゃなく相手に関心を持つ
  2. 自分の好きなことに素直になる
  3. 本を読む、歴史を勉強する
スキルを磨くためのヒント

私はこの3つに、女性は「自分の考えを信じる」ってことを足すとよいと思うの。それは女性は男性よりも、自分の考えに自信がない人がたくさんいるからね。

40年前に出会いたかった美術の先生

ゲスト講師の篠木麻希さんからは、グループワークをしながら美術鑑賞の仕方を体験したんだと思う。

美術鑑賞には2つの流れがあって、「作品や作者、時代背景を理解する」こともありだし、「作品を通して自分自身に向き合う」こともありなのだ。

美術鑑賞の2つの流れ

「みなさん、芸術はわからないといけないと思い込まされているのではないですか?」という問いかけに「えっ?」って思った。子どもたちはゲームに夢中で、やめてほしいと思っている親は多い。どうすればやめさせられるかというと、ゲームを学校の授業にすればいいと言うのだ。学校は一律に芸術をわからそうとするから、つまらなくなる。
これを体験するために、1枚の絵を見てどんなことを感じるのかグループワークをした。

有名な画家の自画像だそうです

このワークがなかなか興味深かった。
絵のタッチや雰囲気から画家の名前を挙げる人、話している間に検索して答えを見つける人、ひたすら妄想する人(私)とさまざまだ。

私など、向かって右側のポケットが気になり、入っている紙にヒントがあるのではないかとか推測していた。

事前の情報がないと、人は自分の感性で絵画を感じ取る。そして、想いを語ることができるのだ。「これはこういう絵で、こう鑑賞するんだよ」と教えられるよりよほどおもしろいと思うのだ。
そして、人は自分の価値観で生きていることをワークを通して感じ取れる。こういう勉強っていいなって思った。
しつこいけれど、40年前に教室で出会いたかった先生だな。きっと私、興味津々でずっと篠木先生について回っていたと思う。

今回の学びで、きっと私の表現は変わってくるんだろうなと思う。「才能がない」などごちゃごちゃ言っていないで、ただ自分が感じていることを表現してみよう!

 

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 この記事の投稿者

白藤沙織

Web・印刷の株式会社正文舎取締役。 Webプロデューサー 兼 ライター。ときどきセミナー講師。 コーチやカウンセラーの資格を持ち、仕事に活かしています。 ダンス・歌・演劇好き。4コマ漫画のサザエさんをこよなく愛しています。

営業をどのようにしたらよいかわからないときに、Webサイトとブログ、SNSに出会う。以来、情報発信を丁寧にして未来のお客様と出会ったり、お客様のフォローをしています。

仕事もプライベートも「自分の生きたい人生を生きる」ために、「自信や勇気」を届けられたらうれしいです。

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